最近の作業(石積み)
今回は一関市内にある宿泊施設の石積みの修復作業を致しました。
元々石積みは宿泊施設の方が手が空いている時に行っていたそうです。
確認したところすぐに倒壊という問題はなさそうでしたが、
一部組まれていないところもあり施主様がきにしていました。
今回は近場の鳥海石で組まれた庭の解体も同時に行い、
石積みの解体と石積みを同時に行いました。
30t以上の石を運びましたが、20t分を使用して倒壊しないようにきっちり組ませて頂きました。
今回の積み方は野面積み(のづらづみ)という積み方で61度を目指して石積みを行いました。
野面積みの詳しい説明は下記の「石積みの組み方」で詳しくご説明します。
組んですぐですので少々物足りなさを感じるかもしれませんが、
いづれ雨水を吸って湿気をまとい自然の苔が生えてくると素晴らしいものになるかと思います。
こうやって自然に見え方が変化していくのも自然の石積みの良さだと思います。
石積みの組み方
石積みには組み方が色々ありますが、ただ積んでしまうと地震や大雨などで倒壊する可能性があります。
例えば石を前の石の後ろにずらして置き上に積み上げていくやり方は簡単に出来ます。
このやり方は一見倒壊する恐れがないように感じますが、
しっかり組まれていない為に地震や大雨に意外と弱い組み方です。
そして斜めに積んでいく為スペースを無駄に使用してしまいます。
ではどういった組み方が強いかというと、
石それぞれの面や組む時に当たる面を考え、
目地を通さないようにして荷重が後ろにいくように積んでいく積み方です。
これは野面積み(のづらづみ)という積み方で自然の石だけで積んでいく積み方です。
排水面で優れていて、大雨が降ってもその隙間から水が抜けるので崩れにくく丈夫です。
コンクリートよりも強い土留めになります。
ただ、この積み方は高度な技術が必要となる為なかなか難しい積み方です。
石よりコンクリート製品の方が見た感じの安心感はあるかもしれませんが、
やはり自然の石の重厚感や高級感はコンクリート製品では出せないところだと思います。
こういう自然の物を後世に少しでも残していきたいですし、
技術も日々磨いていきたいと思います。
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